NUSSI’S SALES NOTEウッシの営業ノート

NOTE 181 · 営業の実践ノート

プレゼンのコツ:客先で提案を話す日の、準備・話す順番・質問の受け方・終わったあと

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プレゼンは、辞書では、計画や企画案、見積もりなどを会議で説明すること、とされています。営業の仕事では、作った提案を、客先で声に出して説明する時間がこれに当たります。この記事は、資料の作り方ではなく、話す場面だけを扱います。前の日までの準備、話す順番、質問の受け方、終わったあとにやることを、順にまとめます。

今日できるようになること

次に客先で話す提案一件について、最初の30秒で言う文を書き、声に出して時間を計る。

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こんなときに 客先で提案を説明することになり、何から話せばよいか、質問にどう答えればよいかで不安なとき。

この順番で進めよう
  1. 1

    聞く人・決めてほしいこと・もらえる時間を確かめる

  2. 2

    結論・理由・相手の場合・お願いの順に、話すことを並べる

  3. 3

    声に出して通し、時間を計る。出そうな質問を3つ書く

  4. 4

    話したあと、決まったことと宿題を確かめ、その日のうちに記録する

会話・記入例は、説明用の例です。自分の案件の条件へ置き換えて使ってください。

プレゼンとは:辞書の意味と、この記事が扱う範囲

プレゼンは、辞書では「「プレゼンテーション」の略。」(デジタル大辞泉「プレゼン」)と説明されています。プレゼンテーションは、「計画・企画案・見積もりなどを、会議で説明すること。」(デジタル大辞泉「プレゼンテーション」)です。もとは会議の場の言葉ですが、営業の仕事では、客先で提案を説明する時間を「プレゼン」と呼ぶことが多くあります。

大きな会場で、大勢の前で話す場面だけを指すわけではありません。応接室で、担当者と上司の二人に、資料を見せながら15分話す。これも、ここでいうプレゼンです。

この記事が扱うのは、話す場面です。資料の中身は、別の記事にまとめています。提案の一枚目は提案書の作り方、資料の種類と並べ方は営業資料の作り方、社内に通す計画は企画書の書き方、提案の前に相手の話を聞く順番は商談ヒアリングです。

資料ができていても、話す段になって手が止まることがあります。理由は、読む資料と、聞く説明では、相手の受け取り方が違うからです。読む人は、分からない所に戻れます。聞く人は、戻れません。そのため、話すときは、先に行き先を言い、順番を守り、途中で確かめることが要ります。

準備:前の日までに決める4つ

話し方の練習より先に、次の4つを決めます。ここが決まっていないと、当日、何を言っても話がまとまりません。

1. だれが聞くか

名前と役割を確かめます。窓口の担当者だけか、上司や、実際に使う人も同席するのか。人によって、気にする点が違うからです。分からなければ、約束を決めた相手に「当日は、どなたがご同席されますか。資料の部数を用意いたします」と聞きます(説明用の例です)。部数を理由にすると、相手は答えやすくなります。

2. 今日、何を決めてほしいか

一つにしぼります。「契約を決めてほしい」とは限りません。「2つの案のうち、どちらで見積もりを作るかを決めてほしい」「次回、現場を見せていただく日を決めてほしい」でも構いません。決めてほしいことが無いまま話すと、相手は聞き終えたあとに、何をすればよいかが分かりません。

3. 時間の割り振り

もらえる時間を確かめ、話す時間は、その半分ほどまでを目安にします。これは決まりではなく、質問と相談の時間を残すための目安です。30分なら、話すのは15分まで、という考え方です(説明用の例です)。全部を話で埋めると、相手の疑問を聞けないまま終わります。

4. 声に出して通す

本番の前のけいこを、リハーサルといいます。辞書では「演劇・音楽・放送などで、本番前に行うけいこ。」(デジタル大辞泉「リハーサル」)と説明されています。プレゼンでも、同じことをします。資料を目で追うだけでは、話す時間は分かりません。声に出して、時計で計ります。長ければ、話す速さを上げるのではなく、言うことを減らします。

通すときに、出そうな質問を3つ書き、答えを用意します。答えが分からない質問は「未確認」と書き、当日までに先輩に聞きます。相手役を立てて練習する方法は、ロープレのやり方にまとめています。

話す順番:結論・理由・相手の場合・お願い

話す順番は、次の4つです。

  1. 結論と、今日決めてほしいこと。最初の30秒ほどで言います。聞く人は、行き先が分かると、そのあとの話を「決めるための材料」として聞けます。
  2. 理由。多くても3つまでにします。聞く人は戻って読み直せないので、数が多いと、最初の理由を忘れます。
  3. 相手の場合。前に聞いた相手の困り事に当てはめて話します。「御社の場合は」と言える部分です。商品の説明だけで終わると、相手は「うちの話」として聞けません。
  4. お願い。最初に言った「決めてほしいこと」に戻ります。

最初の言い方を、並べて見てみます。説明用の例です。

惜しい例:「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。それでは、資料の1ページ目からご説明いたします。まず、弊社の沿革ですが……」

良い例:「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。前回伺った『月末の集計に時間がかかる』というお困り事について、2つの案をお持ちしました。結論から申しますと、A案をおすすめします。理由を10分ほどでご説明し、最後に、どちらの案で見積もりを作るかを決めていただければと思います」

惜しい例は、ていねいですが、聞く人は、話がどこへ向かうのかを知らないまま聞くことになります。良い例は、相手の言葉(お困り事)、結論、かかる時間、決めてほしいこと、の4つを先に言っています。

途中の言い方にも、差が出ます。

惜しい例:「こちらの機能は、業界でも高い評価をいただいております」

良い例:「こちらの機能を使うと、佐藤様が前回お話しくださった、月末の手入力の作業が、取り込みの作業に変わります」

惜しい例は、こちらの評価を言っています。良い例は、相手の仕事がどう変わるかを、相手が前に言った言葉を使って話しています。説明用の例なので、実際には、自分が確かめた事実だけを言ってください。確かめていない効果を言うと、あとで守れない約束になります。

区切りごとに、「ここまでで、気になる点はありますか」と聞きます(説明用の例です)。聞く人が置いていかれていないかを、その場で確かめるためです。

話しているあいだの、目と手

資料や画面だけを見て話すと、相手がうなずいているのか、首をかしげているのかが見えません。文の終わりで顔を上げ、聞く人を見ます。複数の人がいるときは、決める人だけでなく、窓口の担当者や、使う人にも目を向けます。資料のどこを話しているかは、「3ページの、上の表です」と、場所を声で言います(説明用の例です)。聞く人が、ページを探しているあいだに話が進んでしまうのを防ぐためです。

質問の受け方:聞き終える・くり返す・答える・確かめる

話のあとには、質問の時間があります。辞書では、質疑応答は「会議などの場で、質問とそれに対する答え。また、そのやりとり。」(デジタル大辞泉「質疑応答」)とされています。質問は、相手が決めるために足りない材料を教えてくれるものです。受け方は、次の4つです。

  1. 最後まで聞く。途中で答え始めると、相手が本当に聞きたかったことを取りこぼすことがあります。
  2. くり返す。「費用が、初めの年と次の年でどう変わるか、というご質問ですね」と、自分の言葉で言い直します。聞き違いを、答える前に直せます。同席している人にも、質問の中身が伝わります。
  3. 結論から答える。「はい」「いいえ」「〇〇です」を先に言い、理由はそのあとに一つ添えます。
  4. 確かめる。「お答えになっていますでしょうか」と聞きます。ずれていれば、相手がもう一度聞いてくれます。

答えられない質問が来たとき

惜しい例:「たぶん、大丈夫だと思います」

良い例:「申し訳ございません。その点は、今この場では正確にお答えできません。社内で確かめて、あさっての午前中までに、佐藤様あてにメールでお答えします」

どちらも説明用の例です。惜しい例は、推測を答えにしています。あとで違っていたときに、相手は社内で説明し直すことになります。良い例は、答えられないこと・だれに・いつまでに・どの方法で答えるかを言っています。質問はその場でメモに書き、相手の言葉のまま残します。メモの残し方は商談メモ添削にまとめています。

きびしい質問が来たとき

「他社のほうが安いですよね」のような質問は、反論から入らず、まず受け取ります。「金額の差について、というご質問ですね」とくり返し、事実で答えられる所だけを答えます(説明用の例です)。値引きなど、自分で決めてよいと言われていないことは、その場で約束せず、持ち帰ります。

場面で変わるところと、終わったあと

順番は同じでも、場面によって、気をつける所が変わります。次の表は一例です。

場面変わるところ進め方(一例)
聞く人が一人相手の反応が見えやすい区切りごとに質問を受ける。相手が話し始めたら、説明を止めて聞く
聞く人が複数気にする点が人によって違う窓口の担当者を立てて進める。質問には一人ずつ答え、だれの質問かをメモする
オンライン表情や、うなずきが見えにくい画面に映すページを少なくする。区切りごとに名前を呼んで「〇〇様、ここまででいかがでしょうか」と聞く
時間が、急に短くなった全部は話せない結論と、決めてほしいことを先に言う。理由は一つにしぼり、残りは資料で渡す
決める人が、同席していない担当者が、あとで社内に説明する担当者が説明に使える一枚を渡す。上司から聞かれそうなことを、その場で聞く
2回目以降の説明前回の続きから始まる前回決まったことと、宿題の答えを最初に言う

表が収まらない場合は、左右に動かせます。

決める人が同席していないときの材料の渡し方は、「社長に相談します」と言われたらと一人歩きできる資料にまとめています。

資料を渡すタイミング

紙の資料を先に配るか、話し終えてから渡すかに、決まりはありません。先に配ると、相手は書き込みながら聞けます。一方で、先のページを読み進めて、話と目が別の所にいる、ということも起こります。先に配るなら、「今日は、3ページと5ページを中心にお話しします」と、見る場所を先に伝えます(説明用の例です)。迷うときは、約束を決めた相手に「資料は、事前にお送りしたほうがよろしいでしょうか」と聞いて、相手に合わせます(説明用の例です)。

終わる前に、声に出して確かめる

席を立つ前に、「本日決まったことは〇〇、私の宿題は△△で、金曜までにお送りします。この理解でよろしいでしょうか」と言います(説明用の例です)。口に出すと、食い違いがあれば、その場で直してもらえます。

帰ってから、その日のうちに

記録するのは、決まったこと、出た質問(相手の言葉のまま)、宿題(だれが・いつまでに)の3つです。そのうえで、お礼と確認のメールを送ります。書き方は営業のお礼メールに、返事を待つあいだの進め方は「検討します」の後にまとめています。

迷いやすい判断と、言い間違えたあと

判断1:資料を、そのまま読み上げてよい?

読み上げてはいけない、という決まりはありません。基準は、相手が自分で読めることを、声でくり返していないかです。資料に書いてある文は、相手も目で追えます。声では、資料に書いていない「御社の場合は」を足します。数字や条件など、間違えられない所は、資料を指さしながら読んで構いません。

判断2:話している途中で、質問が入ったら?

基準は、短く答えられるかどうかです。一言で答えられるなら、その場で答えます。相手の疑問が残ったまま先へ進むと、そのあとの話が耳に入りにくくなるからです。長くなる質問なら、「そのご質問には、このあとの3ページ目でお答えします」と、いつ答えるかを伝え、質問をメモします(説明用の例です)。あとで、答えたかどうかを自分から確かめます。

判断3:時間が足りなくなりそうなら?

早口にするのではなく、言うことを減らします。理由の2つ目、3つ目を「資料の5ページにまとめています」と渡し、「お願い」に進みます(説明用の例です)。時間をこえそうなときは、「お約束の時間になりますが、あと5分いただいてもよろしいでしょうか」と、相手に決めてもらいます(説明用の例です)。黙って延ばすと、相手は次の予定を気にしながら聞くことになります。

判断4:緊張で、言うことが飛んだら?

緊張をなくす方法は、この記事では示せません。できるのは、戻る場所を決めておくことです。最初の30秒の文と、「今日決めてほしいこと」を、手元の紙に書いておきます。言うことが飛んだら、「失礼しました。少し整理します」と言って紙を見て、そこから話し直します(説明用の例です)。聞く人が困るのは、黙ることよりも、話がどこにいるのか分からなくなることです。

失敗のあと:数字や条件を、言い間違えた

その場では:気づいたら、すぐに直します。「先ほど、納期を2週間と申しましたが、正しくは3週間です。訂正いたします」と、間違えた内容と、正しい内容を言います(説明用の例です)。言い訳は足しません。どちらが正しいか自信がないときは、「確かめて、本日中にご連絡します」と持ち帰ります。

帰ってから気づいたら:その日のうちに、メールで訂正を送ります。相手が、間違った数字のまま社内に説明してしまう前に届けるためです。上司にも、何を言い間違えたかと、訂正を送ったことを伝えます。伝え方は営業で失敗したときにまとめています。

記録:「どの数字を、何と言い間違えたか」「原因(資料を見ずに言った、など)」「次は、数字は資料を指さして読む」と、次の行動まで書きます(説明用の例です)。

今日やることは一つです。次に客先で話す提案一件について、最初の30秒で言う文を書き、声に出して時間を計ってください。

画面ごしに提案を話すときの準備は、オンライン商談の準備と進め方にまとめています。

YOUR TURN

自分の一件で、書いてみよう。

手元に用意するもの
話す提案の資料、相手の名前と役割が分かるメモ、時間を計れるもの(時計やスマートフォン)。

記入例を見る(説明用)

聞く人と、もらえる時間=A社 総務の佐藤様と、上司の課長(お名前は未確認。当日、名刺をいただく)。時間は30分と聞いている/今日、決めてほしいこと=2つの案のうち、どちらで見積もりを作るか/最初の30秒で言う文=「本日は、前回伺った『月末の集計に時間がかかる』というお困り事について、2つの案をお持ちしました。結論から申しますと、A案をおすすめします。理由を10分ほどでご説明し、最後に、どちらの案で見積もりを作るかを決めていただければと思います」。声に出して計ったら、30秒に収まった/出そうな質問3つと、答え=費用はいくらか→概算は資料の4ページ。正式な金額は見積もりで出す。いつから使えるか→未確認。先輩に聞いて、当日までに答えを用意する。今のやり方と比べて何が変わるか→資料の3ページの表で答える/終わったあとの記録=話したあとに書く。決まったこと、宿題、だれが・いつまでに、の3つ。(すべて説明用の例です)

入力は自動保存されません。ページを移動する前に保存してください。保存した内容は他の人に自動送信されません。

CHECK

ここまでできたら、次へ。

最初の30秒で言う文を、声に出して言えましたか。話し終えたあとは、決まったことと宿題を、その日のうちに書きます。資料そのものを直したくなったら、提案書や営業資料の記事に進んでください。

うまく進まなかったときは?

最初の文が書けないときは、「今日、相手に決めてほしいことは何か」を一つだけ書いてください。それが決まらないなら、話す前に、先輩か上司に「今回の説明で、何を決めていただくのがよいでしょうか」と聞きます。時間が足りないと分かったら、話すことを増やすのではなく、理由を一つ減らします。

NEXT NOTE

次に読むなら

提案書の作り方商談で相手の話を聞くロープレのやり方